認定薬剤師の実態調査2022。3,426人の薬剤師調査認定手続きの電子化から半年、利用した?の画像

かかりつけ薬剤師に必要な「研修認定薬剤師」等、薬剤師研修・認定を行う日本薬剤師研修センターがPECS(薬剤師研修・認定電子システム)による認定手続き等の電子化を開始し、半年が経過しました。 日本薬剤師研修センター以外の研修プロバイダーでも電子化が進められる今、m3.com薬剤師会員に利用状況や利用しての感想を伺いました。
(調査期間:2022年10月19日~10月31日 総回答数 : 3,426人)

Q:現在、「研修認定薬剤師」資格を取得していますか?(n=3,426)

Q:現在、「研修認定薬剤師」資格を取得していますか?(n=3,426)の画像1
Q:現在、「研修認定薬剤師」資格を取得していますか?(n=3,426)の画像2
研修認定薬剤師を「取得している」が62%、「取得予定」が17%でした。調剤薬局・調剤併設ドラッグストア勤務の薬剤師は76%が取得し、「取得予定」と合わせると89%となりました。病院・診療所勤務の薬剤師は40%が取得し、23%が「取得予定」と回答しました。

Q:認定手続きの電子化システムを利用していますか?(n=2,107)

Q:認定手続きの電子化システムを利用していますか?(n=2,107)の画像1
Q:認定手続きの電子化システムを利用していますか?(n=2,107)の画像2
「PECS(薬剤師研修・認定電子システム)を利用している」が80%で最多、 次いで「利用していないが利用予定あり」が11%と、半年でシステムの利用が進んでいることが分かりました。
「利用していない」と回答した361人にその理由を任意で聞いたところ、「更新時期が先なのでまだ利用していない。」「やろうとしたがよく分からず放置してしまっていた」「手続きがよく分からないので様子見」と利用予定の回答が多く寄せられました。「更新するための手続きが煩雑になってきているので、辞めようと思っている。」「認定薬剤師のメリットをあまり感じないから(更新しない)。」と電子化をきっかけに認定薬剤師の資格更新を見直す意見も見られました。

Q: 認定手続きを電子化に切り替えてみていかがでしたか?(n=1,746)

Q: 認定手続きを電子化に切り替えてみていかがでしたか?(n=1,746)の画像1
Q: 認定手続きを電子化に切り替えてみていかがでしたか?(n=1,746)の画像2
8割近くが「良かった」「どちらかといえば良かった」と回答しました。

Q: 認定手続きの電子化で「良かった」と感じたことをお選びください(いくつでも)(n=1,344)

Q: 認定手続きの電子化で「良かった」と感じたことをお選びください(いくつでも)(n=1,344)の画像1
Q: 認定手続きの電子化で「良かった」と感じたことをお選びください(いくつでも)(n=1,344)の画像2
電子化に切り替えて「良かった」と回答した1,344人のうち、92%が「単位シールの管理が不要になった」と回答、次いで42%が「申請業務が簡便になった」と回答しました。
単位シールの管理がなくなったことが圧倒的に評価されています。
システムに登録済だが未申請という方も多く、申請業務の簡素化、迅速化への期待が多く寄せられました。

「単位シールと手帳の管理からの解放」がありがたい

  • シールは無くしたらアウトだったので、無くさないのは利点。
  • 手帳に手書きでいろいろ記載するのが面倒だったし、よくシールを紛失していたので、その煩わしさから解放されるのはありがたい。
  • シールだけでなく、研修内容の記録も同時にできるので管理が簡便になった
  • どの勉強会の単位が所得できたか、現在どのくらい単位が所得できているか概ねタイムリーに把握できるようになった。
  • 今回、電子化された認定更新申請を行ったが、薬剤師手帳での単位管理が手間なものであったと気付かされた。単位シールや薬剤師手帳そのものの紛失、シールの貼り間違えなどが起きやすいことを考慮すると電子化して良かったのではないかと感じた。また、更新終了までの期間も短いと感じた。

申請は「思ったより簡単でスムーズ」だった

  • 最初は申請に戸惑ったが、慣れてくると点数の認定は以前より速くなっていた。今回の認定更新作業は、ペーパーの記録とPECSの併用申請になるが、PECSだけになるとスムーズな認定申請になると思う。
  • 今までは更新の度に薬剤師会へ行き、郵便局に振り込んでいた。それが無くなり楽になった。
  • 手数料のクレジットカード決済が可能になったことが良かった。

WEBセミナーが増えて受講しやすくなった

  • 電子化が進むことにより、研修の案内などもスマホから確認できるようになったので、合理的になった。以前は雑誌から研修案内をチョイスしていたので、時間が省けて助かる。
  • WEBセミナーでも単位取得が可能になったこと。
  • オンライン研修が増えて今まで受講する機会のなかった講座なども聴講可能となりかつ点数も所得できて、コロナ禍をきっかけに時代が進んだように思える点が良かった。
  • 会場に行く時間、交通費がなくなった。WEB受講が増え、より参加しやすくなった。

申請はこれから、「電子化のメリットに期待」

  • 実際に申請はまだ行っていないので分からないが更新の申請が簡便になり更新料も安くなるならありがたいです。
  • まだ過渡期なので、次回申請時は手帳との併用が必要ですが、次回以降は手帳が不要で、かつ、シールの紛失、なんの研修でもらったものかなどの管理が不要となるので、メリットはあると感じている。
  • シールをなくす、貼るなどの手間がなくなった。
    申請漏れや単位計算漏れもなくなると思う。まだ電子になってから更新をしていないので細かい部分はおいおい分かってくる状況。

Q:認定手続きの電子化で「悪かった」と感じたことをお選びください(いくつでも)(n=402)

Q:認定手続きの電子化で「悪かった」と感じたことをお選びください(いくつでも)(n=402)の画像1
Q:認定手続きの電子化で「悪かった」と感じたことをお選びください(いくつでも)(n=402)の画像2
電子化に切り替えて「悪かった」と回答した402人のうち、64%が「電子化のシステムが分かりにくかった」と回答し、「申請~認定までの時間が長くなった」が46.5%、「申請業務が難しくなった」が42.5%でした。

システムが分かりづらかった

  • 手続きが分かりにくいし、手間が多く、時間がかかる。問い合わせはメールのみで、不便すぎる。
  • システムがわかりにくく使いにくかった。自分のしたいことが直感的にできるようなシステムではないので慣れないと使いにくさを感じる。

単位シールと電子単位の混在で難しくなった

薬剤師限定 非公開求人多数 年収800万円、人気エリアの土日休みなど登録者限定の求人をご紹介

認定薬剤師に関する新着記事

  • 薬剤師の「医療情報技師」資格取得体験記 NEW

    12月2日
    認定・専門資格の枠組みの外にも薬剤師にとって有用な資格は存在します。そのひとつが、「医療情報技師」です。患者の病歴、経過、検査データ、投薬歴など非常に多岐にわたる医療データを利活用し、またシステム管理できることは、病院薬剤師を中心に大きな武器になります。
  • 「NST専門療法士」の資格取得体験記

    11月12日
    NST専門療法士は、主として静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有するJSPEN(一般社団法人 日本栄養治療学会)が認定した専門療法士です。現在は加算の算定要件になっているわけではありませんが、チーム医療の中で質の高い栄養管理を実現していくために、薬剤師の取得にも関心が高まっています。
  • 薬剤師の資格「骨粗鬆症マネージャー」資格取得体験記

    11月1日
    骨粗鬆症は、高齢化に伴い増加傾向にある疾患のひとつです。直接的に命をおびやかす病気ではありませんが、転倒、骨折、寝たきり、介護の原因となるので適切な治療や予防が重要となります。今回はそんな骨粗鬆症の治療や、二次骨折予防などに取り組む「骨粗鬆症マネージャー」の概要や取得体験記を紹介します。
  • 「感染制御認定薬剤師」の資格取得体験記

    10月3日
    感染制御認定薬剤師は、感染制御に関する高度な知識、技術、実践能力を備えている薬剤師のことです。認定試験は出題範囲が広く難易度が高い一方で、資格取得後は感染対策や抗菌薬の専門家として医師や看護師から頼りにされるようになります。今回は、そんな感染制御認定薬剤師の概要や取得体験記をご紹介します。
  • 公認スポーツファーマシストの資格取得体験記

    9月23日
    公認スポーツファーマシストとは、スポーツ選手やアスリートに対して、薬物治療やサプリメントの適切な使用方法を指導し、ドーピング防止のための知識を提供する薬剤師です。スポーツファーマシストの概要や役割、試験の難易度などを体験記とともにご紹介します。
  • 【薬剤師資格】外来がん治療専門薬剤師の資格取得体験記

    8月28日
    「外来がん治療専門薬剤師(BPACC)」は、外来がん治療に精通し、地域医療機関と連携して職務を遂行することが求められる薬剤師です。同資格保有者の専従が専門医療機関連携薬局の算定要件になっていることから、病院薬剤師だけでなく薬局薬剤師の関心も高まっています。
  • プライマリ・ケア認定薬剤師について超丁寧解説

    8月1日
    プライマリ・ケアとは「身近で、なんでも相談できる総合的な医療」のことです。プライマリ・ケア認定薬剤師は、認定資格の中でも、勤務歴や論文・学会発表の条件がなく小さな薬局やドラッグストア等の薬剤師でも目指しやすい資格になっています。この記事では、プライマリ・ケア認定薬剤師の役割、メリット、更新の流れなどについて解説します。
  • 外来がん治療認定薬剤師の資格取得体験記

    7月29日
    がん患者の生存率は年々延びており、外来がん治療件数も今後しばらく増えていくと予想されます。それに伴い、外来がん治療認定薬剤師の需要も増えていく可能性が高いです。キャリアアップや年収アップにも一定の期待ができる「外来がん治療認定薬剤師」。概要から取得難易度や勉強法などの詳細を、資格取得者の体験記とともに紹介します。
研修に関する日程や内容などは、Web上に公開されている情報を参照し掲載しておりますが、最新の情報が反映されていない場合や変更が生じている場合があります。各プロバイダーの情報をご確認の上、ご利用くださいますようお願いいたします。