漢方薬は何故複数生薬からなるか？その利点と欠点 ／漢方方剤の組成から適応症を理解する

講座情報
「漢方薬は何故複数生薬からなるか？その利点と欠点」
渡辺 賢治
漢方薬の中には独参湯・将軍湯など、一つの生薬から成るものもあるが、基本的には生薬を組み合わせて成り立っている。生薬の組み合わせは、馬王堆漢墓から出土した五十二病方に記載があり、傷寒論以前から生薬の組み合わせが存在していたことが分かっている。桂枝湯の「湯」はスープを意味し、生薬を組み合
わせることで、いく通りもの処方ができる。例えば、生薬が 5 つあれば、その組み合わせは 31 通りある。さらに、桂枝湯と桂枝加芍薬湯のように組み合わせが同じでも一つの生薬の分量が異なると違う薬効を持つことになれば、無数の処方を作ることが可能である。当日は漢方処方の組み合わせの妙につき、お話したい。

《学習到達目標》
・漢方薬の成り立ちを理解する。
・複数生薬からなる利点を理解する。
・複数生薬から成る欠点を理解する。
・主要な生薬の組み合わせを理解する。

「漢方方剤の組成から適応症を理解する」
金子 守宏
方剤が体の中でどのように作用するのかダイナミックに理解し漢方のセンスを磨く。小柴胡湯の副作用の間質性肺炎が発生するメカニズムを金匱要略の条文から考える。

《学習到達目標》
・方剤を理解する。
・小柴胡湯による間質性肺炎発症のメカニズムを金匱要略の条文から説明できるようにする。