薬剤師2020人が回答 認定薬剤師の実態調査2020の画像

2016年度の調剤報酬改定で新設された「かかりつけ薬剤師」制度も4年が経過しました。
公益財団法人日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師数は104,616名(2020年6月30日現在)、内訳は新規認定者38,700名 更新認定者65,916名となっています。研修認定薬剤師は、全国の薬局・医療施設に従事する薬剤師240,371人の4割が取得しているといえます。
※参考:
m3.com薬剤師会員に、取得当時のきっかけや苦労、そして今感じる資格取得して良かったことなど意識と実態を調査しました。
(調査期間:2020年7月20日~8月2日 総回答数:2,022人)
[目次]
  1. Q1: 現在、「研修認定薬剤師」資格を取得していますか?
  2. Q2: 「研修認定薬剤師」は何歳で取得されましたか。お選びください。
  3. Q3: 「研修認定薬剤師」を取得したきっかけを1つお選びください。
  4. Q4: 「研修認定薬剤師」を取得して良かったと思うことを全てお選びください。
  5. 『研修認定薬剤師を取得して良かった』具体的なエピソード
  6. Q5: 新規取得時の費用負担について、近いものを1つお選びください。
  7. Q6: 自己負担額に近いものをお選びください。
  8. Q7: 「研修認定薬剤師」の新規取得時に必要な単位はどのように取得しましたか。取り組んだ学習方法として当てはまるものを全てお選びください。
  9. Q8: 「研修認定薬剤師」をこれまで何回更新しましたか?
  10. Q9: 更新時の費用負担について、近いものを1つお選びください。
  11. Q10: 自己負担額に近いものをお選びください。
  12. Q11: 更新時に必要な単位はどのように取得しましたか。取り組んでいる学習方法として当てはまるものを全てお選びください。
  13. Q12: 「研修認定薬剤師」の取得や更新で苦労した(大変だった)ことについて当てはまるものをお選びください。
  14. 『研修認定薬剤師の取得や更新で苦労した』具体的なエピソード
  15. Q13: 同僚や後輩に「研修認定薬剤師」の取得を勧めますか?
  16. Q14: 現在、「研修認定薬剤師」以外でお持ちの認定薬剤師資格をお選びください。(いくつでも)
  17. Q15: 今後、取得したい資格をお選びください。
  18. Q15: 資格以外で薬剤師に必要だと思っていることをお聞かせください。
  19. 勤務先
  20. 年齢

Q1: 現在、「研修認定薬剤師」資格を取得していますか?(n=2022)

Q1: 現在、「研修認定薬剤師」資格を取得していますか?(n=2022)の画像
認定薬剤
研修認定薬剤師を「取得している」が68%、「取得予定」が16%でした。調剤薬局・調剤併設ドラッグストア勤務の薬剤師は79%が取得しており、「取得予定」と合わせると9割を超えていました。病院・診療所勤務の薬剤師は53%が取得しており、23%が「取得予定」と回答しました。

Q2: 「研修認定薬剤師」は何歳で取得されましたか。お選びください。(n=1384)

Q2: 「研修認定薬剤師」は何歳で取得されましたか。お選びください。(n=1384)の画像
認定薬剤
研修認定薬剤師資格を取得した年齢は、30代が31%、40代が27%、20代が23%、50代が15%と続きました。

Q3: 「研修認定薬剤師」を取得したきっかけを1つお選びください。(n=1384)

Q3: 「研修認定薬剤師」を取得したきっかけを1つお選びください。(n=1384)の画像
認定薬剤
研修認定薬剤師を取得したきっかけは、約半数(49%)が「スキルアップのため」と回答、「かかりつけ薬剤師に必要」が22%、「会社からの指示、推奨」は11%に留まりました。
その他には『認定実務実習指導薬剤師』『外来がん治療認定薬剤師』など「他の認定資格の要件になっていたから」という回答が確認できました。

Q4: 「研修認定薬剤師」を取得して良かったと思うことを全てお選びください。(n=1384)

Q4: 「研修認定薬剤師」を取得して良かったと思うことを全てお選びください。(n=1384)の画像
認定薬剤
「研修認定薬剤師を取得して良かったこと」には、57%が「知識がついた」、36%が「学習のモチベーションが上がった」、26%が「職場での評価が上がった」と回答しました。「特にない」の回答も19%確認できました。薬剤師としての意識の変化を感じた、患者さんや医師・看護士との関係性が変わったことが「良かったこと」として認識されているようです。具体的なエピソードをご覧ください。

『研修認定薬剤師を取得して良かった』具体的なエピソード

知識が拡がった!

  • 薬の知識だけでなく、病態や臨床的な所を学べたので、患者さんの服薬指導に役立ててます。
  • どうしても扱う処方箋が偏ってしまうが、普段から扱う薬や疾病の勉強だけでなく、普段はなかなか扱わない薬や疾病の勉強ができるのが良い。
  • 門前で使わない薬や摂食嚥下など勉強する機会を得た。単位という目先の目標がなければ、ズルズルと後回しにしていたかもしれない。
  • 尿酸値の高い患者さんから食事について相談された時、研修会で配られた資料を活用した。
  • 普段扱わない婦人科などの診療科の治療薬の知識がついた
  • 病気と処方の関わりがよくわかるようになった。
  • 自身が所属する病院は、精神科単科の病院であり、積極的に精神科以外の領域の講演会に参加することで、本来身につけておかなければならない知識を身につけることに繋がっていると感じています。
  • 骨粗鬆症の生活指導をする際、研修会で学んだ知識を活かせた。
  • 疑義照会を行う際、何か薬剤を提案しなければならない時に研修で学んだ知識を活かせた。
  • 普段学習しないようなテーマでも習得出来た。患者さんに対して話の幅が広がった。

かかりつけ薬剤師としての自信

  • かかりつけ薬剤師取らないとダメみたいな雰囲気に...最初は、仕方なく取りました。
    しかし、患者さんとかかりつけ薬剤師の同意書を交わしていくうちに患者さんとも仲良くなって血液検査の結果を聞かなくても出してくれるようになりました!
  • かかりつけ薬剤師指導料が開始する前から認定証を薬局内に掲示していたが、患者さんから「よく勉強されているんですね、安心します」と言われたことがあった。
  • 認定薬剤師になり、かかりつけ患者さんから、あなたに相談して良かった。これからもずっとお願いします。家族のこともお願いします。などの感謝やこれからの期待の言葉をもらった時に、自分に少し自信が持てた。
  • 勉強会で学んだことを、たまたま患者さんから質問されて、自信をもって返答できたことがあった。
  • かかりつけ薬剤師になることで患者様との距離が近くなり、やりがいを感じます。
  • かかりつけ薬剤師になった、患者さんからの評価が上がった:かかりつけ薬剤師の説明をする際に、認定薬剤師の話をするのだが、ちゃんと勉強している人だとわかってくれ、距離が縮まったのか、相談をしてくれるようになった。
  • 呼吸器内科の門前で勤務しているが、医師はほぼ全てのタイプの吸入薬を使い分けている。吸入薬の使い方はもちろんだが吸入薬ごとの適応やpMDI.DPI.SMIの性能の違いなどを深く知ることができ、患者様から質問された際に答えることができた。

医師や看護師とのやりとりに自信

  • 医師の質問に自信を持って答えられるようになった。
  • 医師から相談されることが増え、信頼関係ができた。
  • 医師への疑義照会の際の代替薬を紹介する自信がついた。
  • 自施設内で、薬物療法に関する医師からの相談が多くなった。
  • 医師や看護師から治療方針や目の前の困ったことについて相談され、提案した内容がうまくいったとき、やりがいや自信につながった。
  • 医師の処方の意図が判断できるようになった。
  • さらにがん薬物療法認定薬剤師を取得、医師からがん化学療法について相談を受けるようになった。
  • 以前は医師や看護師に質問されても答えがおどおどしていたが、今はゆっくり答えられる。

薬剤師としてモチベーションが上がった!

  • 研修認定薬剤師なんて不要だという考えを持っていらっしゃる方もいますが、目に見える形で自分が学習した記録を残すということが私にとっては仕事のモチベーションになっています。
  • 単位がつくことで自分がどれだけ勉強してきたかが明確にわかり、自信につながりました。また単位が集まっていくことが楽しく、モチベーションを保つことができました。
  • 最初は、かかりつけ薬剤師をとるために単位を集めようと思い始めたが、日々の服薬指導で役立つ学びを得られたので良かった。
  • 自分自身の自信につながったため、さらに患者さんの治療の役に立てるよう勉強会に足を運んだり、通信で勉強したり、学習意欲が上がった。
  • 認定薬剤師になり、かかりつけ薬剤師になることで、患者さんの薬物治療に対して、責任感がでてきたため、積極的に研修を受けたり、eーラーニングを受講するようになった。
  • 認定薬剤師を取得した後に、実務実習指導薬剤師の認定を取得できたので、段階的にスキルアップできた。
  • モチベーションが上がり、学会発表、論文投稿・アクセプトを経験し、医療薬学専門薬剤師取得へとつながった。
  • 知識がついたのはもちろんのこと、見識も拡がり、従来の調剤薬剤師のままではだめだという認識も。

転職に有利・社内での評価がアップ

  • 学生実習を受けるための実務実習指導薬剤師の資格ややかかりつけ薬剤師になるためのステップアップとなった。今の職場へも学生実習ができるということで転職している。
  • 転職したとしても1年常勤在籍でかかりつけ取得できるので、管理候補などでも印象はよく面接できます。あとは大手企業だと手当もつくのでとっておくと得でした。
  • 転職先がかかりつけ薬剤師を推奨していたので、面接時にまず「研修認定薬剤師」を取得しているか訊かれた。持っていたので採用に有利になったと思う。
  • 転職する際に、今の職場で面談した時に、進んで勉強していると認められてもらえた。今も給料に反映してもらっている。
  • 転職した際持っているだけで最初から周りの評価が高かったので仕事しやすくなった。
  • かかりつけ薬剤師の要件として研修認定薬剤師が設定される以前に取得(2012)した。当時はさほど重要視されず、人によっては意味がない、自己満足だと言われたこともあるが、経営者(薬剤師)は非常に高く評価して下さったのを覚えています。

実務に活用

  • 社内での教育研修に対する知識がより深まり、実益に繋がる教本を作成する事が出来た。
  • 実務実習の指導がスムーズにいった。学生が学校で学んでくることと、現場を繋ぐ知識を得るよう、単位取得がきっかけとなった。
  • 初めての診療科目の処方が来ても、慌てなくなった。
  • 処方を読み解くのが面白くなった。
  • 集合研修での医師の話を聞くことで、医師の処方意図を把握できるようになり、患者さん指導で役に立っている

Q5: 新規取得時の費用負担について、近いものを1つお選びください。(n=1384)

Q5: 新規取得時の費用負担について、近いものを1つお選びください。(n=1384)の画像
認定薬剤
「研修認定薬剤師」の取得費用は56%が「全額を自己負担」と回答しました。調剤薬局・調剤併設ドラッグストア勤務の薬剤師は45%が「全額を自己負担」ですが「全額を会社負担」も30%と回答しており、いくらかでも会社が負担している方は半数を超える(53%)という結果になりました。病院・診療所勤務の薬剤師は82%が「全額を自己負担」と回答しました。

Q6: 自己負担額に近いものをお選びください。(n=1042)

Q6: 自己負担額に近いものをお選びください。(n=1042)の画像
認定薬剤
自己負担額は「10,001円~50,000円」が最多で62%でした。

Q7: 「研修認定薬剤師」の新規取得時に必要な単位はどのように取得しましたか。取り組んだ学習方法として当てはまるものを全てお選びください。(n=1384)

薬剤師限定 非公開求人多数 年収800万円、人気エリアの土日休みなど登録者限定の求人をご紹介

認定薬剤師に関する新着記事

  • 薬剤師の「医療情報技師」資格取得体験記 NEW

    12月2日
    認定・専門資格の枠組みの外にも薬剤師にとって有用な資格は存在します。そのひとつが、「医療情報技師」です。患者の病歴、経過、検査データ、投薬歴など非常に多岐にわたる医療データを利活用し、またシステム管理できることは、病院薬剤師を中心に大きな武器になります。
  • 「NST専門療法士」の資格取得体験記

    11月12日
    NST専門療法士は、主として静脈栄養・経腸栄養を用いた臨床栄養学に関する優れた知識と技能を有するJSPEN(一般社団法人 日本栄養治療学会)が認定した専門療法士です。現在は加算の算定要件になっているわけではありませんが、チーム医療の中で質の高い栄養管理を実現していくために、薬剤師の取得にも関心が高まっています。
  • 薬剤師の資格「骨粗鬆症マネージャー」資格取得体験記

    11月1日
    骨粗鬆症は、高齢化に伴い増加傾向にある疾患のひとつです。直接的に命をおびやかす病気ではありませんが、転倒、骨折、寝たきり、介護の原因となるので適切な治療や予防が重要となります。今回はそんな骨粗鬆症の治療や、二次骨折予防などに取り組む「骨粗鬆症マネージャー」の概要や取得体験記を紹介します。
  • 「感染制御認定薬剤師」の資格取得体験記

    10月3日
    感染制御認定薬剤師は、感染制御に関する高度な知識、技術、実践能力を備えている薬剤師のことです。認定試験は出題範囲が広く難易度が高い一方で、資格取得後は感染対策や抗菌薬の専門家として医師や看護師から頼りにされるようになります。今回は、そんな感染制御認定薬剤師の概要や取得体験記をご紹介します。
  • 公認スポーツファーマシストの資格取得体験記

    9月23日
    公認スポーツファーマシストとは、スポーツ選手やアスリートに対して、薬物治療やサプリメントの適切な使用方法を指導し、ドーピング防止のための知識を提供する薬剤師です。スポーツファーマシストの概要や役割、試験の難易度などを体験記とともにご紹介します。
  • 【薬剤師資格】外来がん治療専門薬剤師の資格取得体験記

    8月28日
    「外来がん治療専門薬剤師(BPACC)」は、外来がん治療に精通し、地域医療機関と連携して職務を遂行することが求められる薬剤師です。同資格保有者の専従が専門医療機関連携薬局の算定要件になっていることから、病院薬剤師だけでなく薬局薬剤師の関心も高まっています。
  • プライマリ・ケア認定薬剤師について超丁寧解説

    8月1日
    プライマリ・ケアとは「身近で、なんでも相談できる総合的な医療」のことです。プライマリ・ケア認定薬剤師は、認定資格の中でも、勤務歴や論文・学会発表の条件がなく小さな薬局やドラッグストア等の薬剤師でも目指しやすい資格になっています。この記事では、プライマリ・ケア認定薬剤師の役割、メリット、更新の流れなどについて解説します。
  • 外来がん治療認定薬剤師の資格取得体験記

    7月29日
    がん患者の生存率は年々延びており、外来がん治療件数も今後しばらく増えていくと予想されます。それに伴い、外来がん治療認定薬剤師の需要も増えていく可能性が高いです。キャリアアップや年収アップにも一定の期待ができる「外来がん治療認定薬剤師」。概要から取得難易度や勉強法などの詳細を、資格取得者の体験記とともに紹介します。
研修に関する日程や内容などは、Web上に公開されている情報を参照し掲載しておりますが、最新の情報が反映されていない場合や変更が生じている場合があります。各プロバイダーの情報をご確認の上、ご利用くださいますようお願いいたします。